ワルツは社交ダンスやフォークダンスで踊られる踊りのこと。 競技ダンス界では、スローワルツ の事を「ワルツ」と呼びます。日本ではスローワルツの方が主流ですが、世界一般的には、アップテンポなウィンナーワルツ等の方を「ワルツ」と呼ぶ方が多いようです。
スローワルツはゆっくりとした3/4拍子で1拍目にアクセントがある音楽で踊ります。正式なワルツは男女が向かい合いクローズドポジションで踊ります。 LOD(反時計回りのライン・オブ・ダンス)方向に向かって進むダンスです。3拍子の音楽に合わせた流れるような華麗なムーブメントと回転とライズ&ロアー(上下の動き)と スウェイ(上体が傾く動作)を特徴とするダンスです。
ヨーロッパの宮廷舞踏ヴェニーズワルツのテンポがアップテンポからスローテンポへと変化、それに伴ってステップも変化し、現在のワルツとして完成されたと言われています。
現在、社交ダンスで「ワルツ」と言うのは、このアメリカ生まれの「ボストン・ワルツ」の事なのです。なぜ本家の「ウィンナー・ワルツ」を抜いて、「ボストン・ワルツ」が「ワルツ」として定着したかというと、1920年代にイギリスのダンス教師教会が、
「ウィンナー・ワルツ」ではなく、「ボストン・ワルツ」の方を社交ダンスの種目として定めたからと言われています。どちらかというと、曲テンポが遅い分、「ボストン・ワルツ」の方が初心者にも簡単に入る事ができるし、また上級者はいろんなステップを使うことができます。モダン系では、一番最初に習うステップで、メダルテストでも最初の級から出てきています。
ゆったりとした曲を、いかに流れるような優雅に踊るのがポイントとなります。
タンゴはアルゼンチン・ブエノスアイレスやウルグアイ・モンテビデオのダンスおよび音楽。またそれを擬したダンス・音楽で、音楽業界から「タンゴ」と公認されたものを指します。
他のモダン系とは毛色が変わっていて、スペイン人やイタリア人といったラテン系の民族のダンスであり、そういう分類からすると、ラテン系に入るべきステップとも言えます。
タンゴは大きく、ヨーロッパ風の「コンチネンタル・タンゴ」と、南米風の「アルゼンチン・タンゴ」に分かれます。社交ダンスでタンゴといった場合、多くは「コンチネンタル・タンゴ」を指します。タンゴはもともとスペイン南部に伝わる音楽形態でしたが、それが南米のブエノスアイレスやアルゼンチンに広まり、南米で成熟されたタンゴは逆輸入され、ヨーロッパに伝わることになりました。
特にパリのカフェで踊られていたステップを取り入れ、ヨーロッパ風に形成されたのが、今日の社交ダンスで言うところのタンゴなのです。モダン系では、ワルツについで踊られるステップです。いかに歯切れ良く、力強く進んで行くかがポイントとなります。
フォックストロットは社交ダンスの一つで、現在もアメリカンスタイル社交ダンスの1種目として踊られています。
米国では、競技スタイルと社交スタイルの双方でこの呼称を使い続けています。
スロー・フォックストロットは緩やかなライズ&ロアーやスウェイを多用し、静止することのない滑らかでスムーズなムーブメントを特徴とする英国を代表するダンスです。
アメリカの黒人により生みだされたジャズのリズムに合うステップとして自然発生し、黒人から白人へ徐々に広がりましたが、その後英国に渡ってから大流行し、さらに英国で基本ステップなどが規定され、スロー・フォックストロットという種目として完成されたと言われています。
スロー・フォックストロットは4拍子の音楽に合わせて踊りますが、多くの基本ステップが3歩になっており、
3拍子の音楽で踊るワルツのように踊ってしまいがちです。上級者向けの種目と言っても過言ではないと思います。
スローカウントとクイックカウントをしっかり区別しましょう。
クイックステップは社交ダンスで踊られるダンスの一つ。競技ダンスではスタンダード種目に分類されます。
それまでの競技種目だったワンステップに代わって採用され、1927年のスター選手権大会で、クイックフォックストロット&チャールストン (Quick Foxtrot and Charleston)と改名され、その後のICBCブリティッシュプロフェッショナル選手権でクイックステップに改名されています。
1923年に渡英したあるアメリカのバンドが、非常にテンポの速い「フォックスロット」を演奏したため、従来の「フォックスロット」では踊ることができず、新たに速いテンポ用のステップが必要となり、1924年にイギリスの〈ダンス教師協会〉は「フォックスロット」を、「スロー・フォックスロット」と 「クィックステップ」のふたつに分類しました。非常にスピーディなダンスで、アップテンポなジャズにマッチしたステップ。
ヴェニーズワルツは社交ダンスや舞踏会で踊られるワルツの1つ。ウィンナーワルツとも呼ばれています。
ヴェニーズワルツは、現在ワルツと呼ばれているものの基礎となったステップです。社交ダンスの種目として定められたのは1960年代になってからのことですが、その歴史は最も古く、1750年頃まで遡ると言われています。
ウィンナーという言葉は、ウィーンのことで、ウィーンの宮廷舞踏会が発祥とされています。もともとはアルプス地方に伝わるレントラーという民族舞踊がベースで、それが宮廷舞踊として取り入れられるとワルツと呼ばれたのだとか。
1814年、ナポレオン戦争の終結後、その戦後処理のために開かれたウィーン会議の舞踏晩餐会において、メインとして踊られたのが、
このウィーンの「ワルツ」でした。各ヨーロッパの代表者たちは、このウィーンのワルツに感銘を受け、ヨーロッパ中に広まったと言います。
ヴェニーズ
ワルツは、一見簡単そうに見えて、実はそれほど簡単ではない種目です。
回転量が足りず、小さい輪をぐるぐる描いてしまうことになりがちです。ひたすらクルクル回りますので目が回ります。
ちなみにダンスパーティーで踊られる頻度はそれほど高くありません。
ポピュラー音楽のリズムの形式の一つ。通常グィロ(ひょうたん形の果実の堅い表皮に刻み目をつけ、針金のブラシでこすって音を出すキューバン・バンドの打楽器)を用い、
チャチャチャという感じのリズムをとるところからこの名がついたといわれています。
キューバのバイオリン奏者兼楽団指揮者エンリケ・ホリンが、
19世紀末から20世紀初めにかけて流行したキューバの舞曲ダンソンを改良して創始し、 1950年代の中ごろ世界的な流行をみました。発祥は南米のキューバで、他にもマンポ・ルンバ・サルサもキューバ生まれ。
キューバ音楽は黒人色の強いものと、スペイン人の影響の強いものとにわかれ、 「チャチャチャ」はスペイン人の影響の強い音楽と言われています。上流階級のパーティなどで踊られることが多かったようです。
社交ダンスで踊られる項目の一つにルンバがありますが、キューバで踊られるルンバとは全く別物です。
発祥は南米のキューバと言われ、ルンバは黒人の影響が強い音楽とされています。本来のルンバはテンポの良いものだと思われますが、社交ダンスで踊られているルンバはスローテンポの曲でバラードなどにもよく合うステップとなっています。
社交ダンスで踊られるルンバにはスクエア・ルンバとキューバン・ルンバがありますが、競技用に使用されるのはキューバン・ルンバの方です。スクエア・ルンバの方が少しテンポが速めです。
繊細で哀愁に満ちた音楽に合わせ、やわらかいヒップ・ムーブメントやしなやかな手の動きやポーズ、 愛の物語を表現するムーブメントはスクェア・ルンバにはない華やかなものです。
スクェア・ルンバと区別するために「キューバン・ルンバ」と呼ばれていましたが、 現在ではルンバという呼び方が一般的です。ルンバはスローテンポの曲で、バラードにもよく合います。
映画『ダンス・ウィズ・ミー』でヴァネッサ・ウィリアムズが情熱的に踊っていたように、最も男女の絡みや葛藤を表現したダンスです。
音楽がスローテンポだからと言って、ダンスまでダラダラと踊らないよう心がけましょう。音楽がゆっくりだからこそメリハリが重要で、溜めたり素早く動いたりといった強弱が大切になります。これができればかなり見栄えが良くなります。
ブラジルのアフリカ系住民による集団的なダンス、またはその音楽とリズム。もとはアフリカからの奴隷によって伝えられた輪舞(バトゥーキbatuque)の踊り方を意味していましたが、のちに社交ダンスとしても広まりました。
サン・パウロの田舎風サンバは2拍子で、3度平行の歌と、シンコペーションのリズムを特徴とします。この田舎風サンバは黒人がカーニバルに参加することによってしだいに都会化され、1920年代には、とくにリオ・デ・ジャネイロでカーニバル・サンバとしてのスタイルを確立しました。さらに30年代に入ると、サンバ・カンサウンsamba cano(歌謡サンバ)を代表とする社交ダンス化したサンバがダンスホールで踊られるようになります。
上流階級が舞踏会で踊る室内用のサンバ(マシシ)という踊りがあり、現在社交ダンスで「サンバ」と呼ばれているものは、このマシシをベースに、庶民的なサンバが融合したものだと言われています。
しかし、ダンスパーティーで踊られる頻度はそれほど高くありません。基本的なステップ自体が少々難しいためか、あるいは音楽が少々早いためだと思われます。普段 カップルを組んでいる人同士や、サークル等で予めおおよそのステップの流れを決めていれば、ダンスパーティーでも踊れるでしょう。
パソドブレは、スペインの闘牛とフラメンコをイメージした迫力あるダンスです。競技ダンスではラテンダンスに分類されます。
社交ダンスでは、一般的にリーダー(男性)はマタドール(闘牛士)、パートナー(女性)はカポーテ(闘牛に使われる赤いケープ)と、時には闘牛をイメージして踊られます。
ベーシック・ステップは単に足踏みをしているだけですが、逆にマタドールっぽさを表現することがかなり難しく、表現という上でラテンダンスの中でも、最も難易度の高いダンスとされています。その他のラテンダンス4種目は女性が主役なのに対して、パソドブレは男性が主役となっているのが特徴です。
基本的に闘牛ですので、他の種目には無い、鬼気迫った感じのダンスになります。競技ダンスの大会でパソドブレを見て頂ければ一目瞭然ですが、他の種目ではにこやかな人も、この種目では笑っていません。なぜなら、やるかやられるかという闘牛の世界を演じているからです。
バズ・ラーマン監督の映画『ダンシング・ヒーロー』のクライマックスでも踊られています。
ジャイブは軽快で、動きの早いダンスです。 黒人の踊りから発生したジタバグ(ジルバ)が原型です。
音楽はジルバと同じロック系またはスイング系のビートのきいた音楽になります。
4分の4拍子。ジタバグのリズムが123456なのに対し、ジャイブのリズムは123a43a4で、12は1拍子、3a4は4分の3、4分の1、1拍子。
アクセントが第2・第4の拍子にあります。デキシーランドスタイルの速いものから、ロックン・ロール、ディスコまで幅広いリズムに対応し、
スインギーなアクションとコミカルな楽しさがこの踊りの特徴です。